第7回|日経DI広告連動コラム|OTC治療薬とセルフメディケーション ~薬剤師の職能を地域で活かすために~
第7回|日経DI広告連動コラム
第7回 OTC治療薬とセルフメディケーション ~薬剤師の職能を地域で活かすために~
- OTC医薬品は、処方せんなしに、薬局や薬店で生活者自らが購入して使用する医薬品です。
家庭の薬箱に常備されることも多く、大衆薬や市販薬といった呼ばれ方をされてきました。
生活者にとって非常に身近なOTC医薬品ですが、平成21年の薬事法改正に伴ってOTC医薬品の販売制度が大きく変わったことで、
調剤薬局でのOTC医薬品に対する位置づけにも変化が起こりました。以前よりも積極的にOTC医薬品を店頭に並べようという傾向が強くなってきたともいえます。
- そもそもOTC医薬品は、医療用医薬品と同様に薬局の棚にズラリと並んでいた薬剤でした。それが、調剤業務に専念してしまう薬局が増えたことによって、棚に姿を見かけなくなっていきました。
また調剤薬局を訪れる患者の側も、そこにOTC医薬品を求める気持ちは頭の中になく、多くの調剤薬局でのOTC医薬品は、まるでお飾りのように店内に並べられているだけという状況になっていったのです。そうした状況に変化をもたらすきっかけとなったのが、先の改正薬事法の施行でした。
- 厚生労働省が定義した、改正薬事法の狙いを見たときに、その変化の意図するところを理解することができます。そのキーワードとなるのが、「セルフメディケーション」という言葉です。以下は、改正薬事法施行の際に厚生労働省が発表した政策レポートの中の記述です。
- 「近年、急速な高齢化の進展や生活習慣病の増加など疾病構造の変化、QOLの向上への要請等に伴って、自分自身の健康に対する関心が高い生活者が多くなっています。そのような中で、専門家による適切なアドバイスにより、身近にある一般用医薬品を利用する『セルフメディケーション』の考え方がみられるようになってきました。WHOによれば、セルフメディケーションとは、『自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てする』こととされており、一般用医薬品の適切な選択と適正な使用に資するため、医薬品の販売制度を見直すことが求められるようになってきました」
- セルフメディケーションとは、直訳すると「自分で薬物治療をすること」となります。つまり、軽度な病気や傷を負った際に、自分でOTC医薬品を購入して症状の緩和に努めることです。
そして、セルフメディケーションにおいて大事な考え方が、病気の「予防」への意識です。つまり、適正な医薬品の使用によって症状の拡大をおさえたり、たとえば血圧や血糖値などの数値の改善を行なうことに気を配るというものです。
また、そうした生活習慣病や慢性疾患の予防や改善を考えたときには、医薬品だけでは決して解決しません。栄養をバランス良くとるための食生活の充実を図ったり、適度な運動を取り入れるなどの改善が必要になります。このように、医薬品に留まらない広い範囲での生活改善を含めた領域も、広義のセルフメディケーションという位置づけで定義されているのです。
- このセルフメディケーションのありようを考えたときに、OTC治療薬と調剤薬局との関連性や、今後の薬局のあり方といった未来像が見えてきます。
これまで当コラムでは、新しい薬局のあり方として、調剤薬局が地域医療の一端を担う役割の重要性を述べてきました。たとえば薬局で健康状態のチェックを行うなどの、人々の生活習慣病予防に役立つような職能の拡充です。定期的に来局者の血圧や体脂肪率をはかるなどで、地域の人々の健康維持に寄与する取り組みを積極的に行っていくという考え方です。
- それは同時に、セルフメディケーションの概念とも大いに共通点があるものです。地域の人々の生活習慣の改善に積極的な関わりをもちながら、病気の予防や症状の改善を目的に、OTC医薬品の利用についても信頼ある指導を行う。それこそ、地域の調剤薬局ならではの職能といえるのではないでしょうか。
処方せんのいらない薬を、薬局独自のノウハウとともに、地域の生活者に役立てていくこと。OTC医薬品の販売を、調剤薬局がもつ一方の売りにできるようなら、地域医療を担うこれからの薬局が描く「あるべき姿」に近づいた表れということができそうです。
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